対シリア軍事介入への動き加速 イランがけん制
(CNN) 米国が英国、フランスとともに対シリア軍事介入へ向けた動きを加速させるなか、イランのザリフ外相は28日、同国への攻撃が実行されれば事態はさらに悪化すると警告した。
同外相はさらに「気の向くままに他国を攻撃するような行為は中世への逆戻りだ」と、米国への反発をあらわにした。
米国はシリアのアサド政権が化学兵器を使用したとして、軍事介入への動きをみせている。化学兵器使用の現場とされる首都ダマスカス郊外では、国連の調査団が28日も検証を続けた。これに対して米国務省のハーフ副報道官は、信頼性のある調査結果を出すには時間がたちすぎていると主張。現地の治安状況についても「安全でないことは明らかだ」と述べ、調査の完了を待つことに消極的な立場を示した。
米国が国連安全保障理事会に軍事介入を提案するという選択肢は考えにくい。アサド政権と近い関係にあるロシアや、中国による拒否権発動が予想されるからだ。米当局者が匿名で語ったところによると、次の段階として、米国が国連とは別に単独で実施した情報収集の結果が今週中に発表される予定だという。
一方、キャメロン英首相は28日、単文投稿サイト「ツイッター」を通じ、英国が同日中に対シリアの安保理決議案を提示すると述べた。決議案は「アサド政権による化学兵器使用を非難し、シリア国民を守るために必要な措置を承認する」との内容だという。
米国は軍事介入に踏み切る場合も、シリアへの地上軍派遣や飛行禁止区域の設定は検討しないと明言している。リード上院議員によると、シリア近海に展開する米軍艦から巡航ミサイルを発射して軍施設を攻撃する作戦が有力とみられる。