福島第一原発の汚染水漏れ、4カ所で高線量を観測
(CNN) 福島第一原子力発電所のタンクから汚染水が漏れた問題で、東京電力は8月31日、敷地内の計4カ所で高い放射線量を観測したことを明らかにした。東電は9月1日の声明で、早急な原因究明と対策、作業員の安全確保に努めると述べた。
高線量が見つかったのは、汚染水を貯蔵するタンクの本体底部3カ所と配管の継ぎ目1カ所。
タンク1基の底部接合部分で毎時1800ミリシーベルトの放射線を検出したほか、別のタンク群など2カ所でそれぞれ同220ミリシーベルト、同70ミリシーベルトの線量を測定した。配管部分では、作業員が外側の断熱材を押した際に落ちた水滴から同230ミリシーベルトを検出したが、タンクの水位に変化はみられなかった。
1800ミリシーベルトの線量は人が数時間浴びると死亡するレベルだが、東電によると観測されたのは透過性の弱い「ベータ線」で、薄いアルミ板などにより防護できるという。
福島第一原発のタンクからは先月300トンの汚染水漏れが見つかり、トラブルの深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)が「レベル3」(重大な異常事象)に引き上げられた。