フィリピン南部で武装集団との交渉続く、人質5人解放
(CNN) フィリピン南部のサンボアンガ市でイスラム系武装勢力、モロ民族解放戦(MNLF)のメンバー数百人が人質を取って一部の地区を占拠している問題で、地元市長は10日、子ども4人を含む人質5人が解放されたと発表した。
同市長によると、同日午前の銃撃戦で、新たに警官1人が脚を撃たれて負傷した。現場周辺には軍兵士や警官らが展開し、犯行グループとの交渉を続けている。
当局者らの話によれば、MNLF側のメンバーは約300人に上るとみられる。ロハス内務自治相は記者会見で、犯行グループが「人間の盾」として180人を人質に取ったと述べた。
ロハス氏は解放作戦の指揮を執るために現地入りしている。「人質か現地住民かを見分けるのは難しい」としたうえで、この人数を重く受け止めていると強調した。MNLF側が要求する条件には言及しなかった。
一方、MNLFの報道担当者はフィリピン紙に「兵士に撃たれないよう35人を人質に取った」と述べた。
市長によると、9日には警官や海軍兵士を含む6人が死亡していた。