巨大客船コスタ・コンコルディア、引き起こし作業が完了 伊
イタリア・ジリオ(CNN) イタリアのジリオ島沖で座礁・転覆した大型客船「コスタ・コンコルディア」の引き揚げは、横倒しになっていた船体を起こして水平に立て直す作業が現地時間の17日未明に完了した。
コスタ・コンコルディアは2012年1月にイタリアのジリオ島沿岸で座礁し、32人の犠牲者を出した。サルベージ専門家で組織するチームは、総トン数11万4000トン、全長約290メートルの巨大な船体を引き起こすという前例のない作業に19時間かけて取り組んだ。
17日午前4時、深さ30メートルの海底に設置した土台の上に船体を載せる作業が無事完了。港のサルベージ船が合図の警笛を鳴らすと、集まってきた島の住民がシャンパンを持ち寄って引き揚げにあたった作業員をねぎらい、港はお祭りムードに包まれた。
20カ月の間、岩の上に横倒しになっていた側の船体は、粉々に割れた窓からカーテンが垂れ下がり、デッキチェアが船室の壁に食い込み、押しつぶされた救命ボートが船体に張り付くなど、衝撃のすさまじさを物語っていた。