アルカイダ系がトルコ国境の町を制圧 シリア反体制派で内紛
(CNN) シリア軍の離反兵士で組織する反体制派「自由シリア軍」は19日までに、アルカイダ系の過激派「イラクとシリアのイスラム国」(ISIS)が18日、自由シリア軍が政府軍から奪い過去1年支配していたトルコとの国境近くにあるシリアのアザズ町を戦闘で制圧したと発表した。
ISISはその後、トルコとの国境上の戦略的要衝である「オンクピナル・バブエルサラマ」検問所へも進軍、その攻略に迫っている。シリア北部の自由シリア軍司令官は兵力の増強を図り、これを阻止すると述べた。
シリア内戦はアサド政権軍対反体制派武装組織の交戦に加え、反体制派内でも穏健派と過激派との衝突が拡大しかねない複雑な様相になってきた。
国境検問所は、トルコのガジアンテプ市とシリア北部の中心都市アレッポを結ぶ幹線道路上にあり、国際援助物資などが通過している。米政府が反体制派に供給する人道物資や非致死性の装備品などもこの検問所を経由している。
アザズ町での戦闘では、外国メディア陣をシリア北部に導く反体制派団体の責任者が死亡。同責任者の兄弟は、ISISは異教徒と非難。自由シリア軍の政治・メディア担当者はCNNに対し、ISISはもはや反体制派でなくテロ集団と弾劾した。
自由シリア軍とISISは先月まで、対トルコ国境近くにある政府軍の空軍基地を共同作戦で陥落させるなどの協力態勢にあった。ISISはイラクとシリアの統合によるイスラム国家樹立を目指す。北アフリカ諸国、イラク、レバノン、トルコや他の諸国の戦闘員が結集しているとされる。