メキシコ軍、無法都市の重要港湾を「制圧」
(CNN) メキシコ政府当局者は7日までに、同国南部の太平洋岸にあり麻薬密輸組織の抗争に加え、密輸や汚職がはびこる無法都市ともみなされていた重要港湾都市ラサロカルデナスを軍が「制圧」したと発表した。
政府報道官によると、今後海軍が同市の統治に当たり、陸軍が連邦警察の協力で街頭の警備を担う。今回の作戦については法の統治の強化、港の日常の商業活動の合法性を確保を図るためとしている。
ラサロカルデナス港の荷物取扱量はメキシコで2番目となっている。
4日に実施された制圧作戦を受け、同市の治安担当機関の職務ははく奪された。全警官は武装解除され、拘束者も出たという。幹部級の警官は勤務考査などの対象になる。港湾業務に関与してきた公務員全員は、組織内の癒着を根絶するため入れ替えられる見通し。
ラサロカルデナスがあるミチョアカン州では、他州と異なり麻薬カルテルと自警組織間の抗争が依然として絶えない。同州を根城にする麻薬カルテル「ナイツ・テンプラル」は警察への攻撃にも踏み切り、今夏の一連の襲撃では22人が殺される事件も起きた。
景気後退の影響により同港で働いてた若年層の労働者の多くは解雇され、麻薬密輸組織に取り込まれる例も目立つ。
ペニャニエト同国大統領は、カルデロン前大統領時代の軍事力を前面に出した麻薬カルテル根絶を批判していたが、決め手が見つからず結局は同様の戦術を強いられたとの指摘もある。