シリアのアルカイダ系組織、誤って自派戦闘員に斬首の処刑
(CNN) 内戦下にあるシリアの反体制派「シリア人権監視機構」は15日、政府軍と戦うアルカイダ系過激派が負傷した自派の戦闘員をアサド政権の支持者と勘違いし、斬首する処刑を行ったと報告した。
過激派の「イラク・シリアのイスラム国」(ISIS)の報道担当者は14日、インターネット上の声明で同組織の戦闘員が処刑に関与したと認めた。その上で処刑の実行者への許しを乞い、反政府派支持者の自制と信心を求めた。
処刑は今週実行されたもので、同組織の戦闘員2人が北部アレッポで切断した首らしきものを群衆に示す画像もネット上で流れた。処刑された戦闘員はアサド政権軍との戦いで負傷していた。
ISISの声明によると、斬首された戦闘員は負傷して簡易治療所に運ばれた際、イスラム教シーア派の聖人の名前を叫んだことから、政府軍兵士と間違われたとみられる。アサド政権はシーア派系で、反体制派はスンニ派が主流となっている。
反体制派内では最近、過激派とより世俗的な武装組織との戦闘が激化。反体制派の内部結束を弱め、一般住民が戦闘に巻き込まれる被害も出ている。
人権団体や一部の反体制派はISISによる負傷した政府軍兵士に対する残虐な仕打ちを非難。ISISは神を冒とくしたとして15歳少年に発砲したり、シャリア(イスラム法)に反する振る舞いをした女性に公開むち打ち刑を科すなどの行動を見せている。