ベルルスコーニ元首相の議員資格を剥奪 伊上院
ローマ(CNN) イタリア上院は27日、脱税で有罪判決を受けたベルルスコーニ元首相(77)の議員資格剥奪(はくだつ)を192対113(棄権2)の賛成多数で可決した。
ベルルスコーニ元首相はオーナーを務めるテレビ局、メディアセットを巡る脱税事件で有罪となり、禁錮4年(恩赦法で1年に減刑)および2年間の公職追放の判決を受けている。
イタリアで昨年、成立した法律では、刑事事件で重罪となった政治家は国会議員の資格を失うと定められている。だが議員資格の剥奪には上院での承認が必要だった。
中道左派の民主党や野党の五つ星運動が賛成票を投じると明らかにしていたため、元首相の失職は避けられないと見られていた。
それでもベルルスコーニ元首相が政界から引退することはなさそうだ。ローマのアメリカン大学国際関係学部のジェームズ・ウォルストン学部長は「元首相は政界に残る。上院議員であることをやめるだけだ」と指摘する。
ただし上院議員の肩書きとともに免訴特権も失うため、元首相は今後、別件で訴追される可能性がある。これまでにも元首相は汚職や女性スキャンダルなどで追及を受けている。