フランス軍が軍事介入を開始、無政府状態の中央アフリカ
中央アフリカ共和国ボサンゴア(CNN) 大統領追放後に無政府状態が続くアフリカ中部、中央アフリカ共和国の情勢で旧宗主国フランスは6日、反政府武装勢力掃討のための軍事作戦を首都バンギで開始したと発表した。
アフリカ連合(AU)軍と仏による軍事介入は5日、国連安全保障理事会が決議で承認した。中央アフリカへの武器禁輸も承認された。
ルドリアン仏国防相は6日朝、仏ラジオ局で軍事介入の開始を発表。バンギなどに在住するフランス人の安全確保、首都の空港警備などを主要目的とする作戦を遂行すると述べた。バンギ市内の見回りにも着手した。
作戦に当たる仏軍部隊への増派は数百人規模になる見通し。英国のヘイグ外相は6日、英軍機が仏軍装備品を中央アフリカに輸送する支援業務を担うと述べた。AU軍も既に到着したが、人権団体は仏軍と合わせ、国内の政情混乱を正常化させるには十分な兵力ではないと指摘した。
バンギでは国連決議が可決される直前の数時間、大統領宮近くなどで激しい銃撃戦が発生。援助団体「国境なき医師団」によると、首都で2日間続いた戦闘で病院に運ばれた遺体は6日午後時点で92体に増えたと証言した。
国内騒乱による犠牲者総数は治安が悪い遠隔地もあり、把握されていない。国連は、総人口の約1割に当たる40万人以上が自宅などから避難を強いられていると報告した。
同国では独立以来、クーデターが多数発生、今年3月には結託したイスラム武装勢力が当時のボジゼ大統領の政権を打倒し、政情がさらに悪化した。キリスト教徒の自警組織などが武装勢力と衝突している。