絶滅危機のクロサイ、狩猟許可証の競売が物議醸す
テキサス州ダラス(CNN) 深刻な絶滅の危機に直面しているアフリカ南部ナミビアのクロサイを巡り、米国の狩猟団体が狩猟許可証の競売を企画して物議を醸している。
米テキサス州のダラス・サファリ・クラブ(DSC)は11日夜、ナミビア政府が発行したクロサイ1頭の狩猟許可証の競売を開催。落札価格は25万~100万ドル(約2600万~1億400万円)に上るとの見通しを示した。収益は全額、クロサイ保護活動の資金として同国政府に寄付すると説明している。
同団体のベン・カーター事務局長は「クロサイを守るための最良の方法」と話すが、動物保護団体などから「全体のために1頭を犠牲にしていいのか」「悪い冗談だ」といった非難が集中している。
クロサイは大きな角が剣の材料や装飾品、さらにアジアでは万病の薬として重用され、乱獲によって1980年代には世界の生息数が数十頭に減少した。その後の保護活動で約5000頭まで回復し、うち約1700頭がナミビアに生息している。