ホムスから市民600人以上が避難、物資車両に攻撃
(CNN) シリアの国営メディアによると、政権側と反体制派の間で一時停戦が成立した中部ホムスの旧市街から9日、600人以上の市民が避難した。一方、同市へ人道支援物資を運んでいた車両が何者かの攻撃を受け、運転手1人が軽傷を負った。
シリア国営テレビと国営シリア・アラブ通信(SANA)が9日午後、バラジ・ホムス県知事の話として伝えたところによると、旧市街からはこの日、国連の主導で女性や子ども、高齢者ら611人が脱出した。
これに先立ち、赤新月社と国連のトラックが物資の搬入を開始。赤新月社は8日、ツイッターで「車列は砲撃や銃撃を受けたものの、食料品250箱と衛生用品190セット、慢性疾患の薬を届けることができた」と述べた。ただトラック4台のうち、損壊した2台はやむなく現地に残してきたという。
車列への攻撃を巡っては、現地の米紙記者がCNNに「政府軍の一派による犯行だ」と話す一方、バラジ知事は「反体制派の内部で市民を盾にしたいグループと、市民と引き換えに物資を受け取りたいグループが対立した結果」との見方を示したという。
SANAは同日、赤新月社のスタッフ4人が「テロ集団」の銃撃で負傷したとも伝えた。国連のエイモス人道問題担当事務次長は、「人道支援要員を狙った攻撃によって停戦が破られた」と失望感を示した。
旧市街の一部は2012年6月以降政府軍に方位され、約2500人の市民が閉じ込められていた。国連の仲介による一時停戦は7日から3日間の予定で履行され、初日は83人が避難していた。