イングランドで洪水被害が深刻化、テムズの一部堤防が決壊
(CNN) イングランドの広範な地域で15日までに、冬季の暴風雨による洪水が拡大、テムズ川流域では堤防が決壊するなどの被害が深刻化している。
英環境庁は同川の水位は過去60年間で最高水準に達し、今週末には流域で新たな洪水が発生すると警告した。大西洋で発生した大型の暴風雨の襲来も14日に予想され、被害の一層の拡大も懸念されている。
イングランドの今年の1月は、同月としては過去2世紀半で最も湿潤な気候を記録した。気象当局は最近続いた一連の暴風雨の持続期間は例外的に長いと報告。ただ、気候変動との因果関係は不明としている。
洪水などに絡む被災者数の詳細や死者の有無は伝えられていないが、テムズ川流域では昨年12月初旬以降、民家約6000棟が浸水に見舞われた。高級住宅地とされるメイデンヘッドやエリザベス女王の城があるウィンザーの両地区では過去数日間に1000棟以上が浸水した。
ロンドン西方にあるバークシャー、サリー両地区では堤防が決壊。イングランド南西部のサマーセット地区では昨年12月以降、水浸しが続いている。
交通網も乱れており、多くの列車が遅れたり運行停止を強いられている。
ウェールズ西部、イングランド北西部やアイルランドの一部地域は12日に暴風雨に襲われ、約45万世帯が停電を被った。14日朝の時点で、1万6000世帯ではまだ復旧していなかった。
ロンドン中心部はテムズ川の氾濫(はんらん)に備えた防潮施設があり、被害は報告されていない。ウィリアム、ヘンリー両王子は14日早朝、洪水の被災地であるロンドン西方のダチェット村で救援活動に加わった。