カダフィ大佐の息子をニジェールで拘束、逃走から2年半余
(CNN) リビアの暫定政権は5日、隣国のニジェール政府の協力を得てリビアの元最高指導者カダフィ大佐の3男サアディ・カダフィ氏の身柄を拘束したと発表した。交流サイト「フェイスブック」上で明らかにした。
ニジェールの大統領への謝意も示した。
サアディ氏は、2011年8月の旧カダフィ政権の崩壊後、ニジェールへ逃走。同氏は内戦中、父と後継者の有力候補ともされた兄のセイフルイスラム氏を見放すことなどを条件に反政府派に交渉を申し入れたこともある。
セイフルイスラム氏は反政府派に捕捉(ほそく)されていた。カダフィ大佐には多数の息子がおり、セイフルアラブ氏は軍事介入に踏み切った北大西洋条約機構(NATO)有志国による空爆で2011年春に死亡。ハミス氏も同年8月、リビア北西部での戦闘で死亡したとされる。
ハミス氏は自ら率いる部隊が退却する際、拘束し釈放も約束していた推定150人の民間人をビル内に閉じ込め、手りゅう弾や乱射で虐殺したともいわれる。
別の息子であるムタシム氏も同年10月に死亡している。
カダフィ大佐のサフィア夫人は、息子のムハンマド、ハンニバル両氏、娘のアイシャさんや他の一族と共に11年8月、隣国アルジェリアに逃亡。その後、亡命が認められた中東オマーンに移ったとされる。
カダフィ大佐は長期の独裁体制を続けていたが、反政府デモを端緒とする内戦拡大や多国籍軍の軍事介入もあり権力の座から追われていた。同年10月に反政府派に捕まり、死亡している。