米海軍特殊部隊、リビア武装集団から石油タンカーを奪還
(CNN) 米国防総省などは、リビア武装集団の3人組に乗っ取られた石油タンカーを海軍の特殊部隊が奪還したと明らかにした。作戦は16日夜に実施され、負傷者は出ていないとしている。
これに対して武装集団のリーダーは17日に発表した声明で、タンカーは合法的にチャーターしたもので、乗っ取ったわけではないと主張。米海軍が乗り込んで同船を制圧したのは国際海事法に違反すると非難した。
一方、リビア暫定政府の首相声明では、同国が関係諸国に支援を要請したと説明。同船はリビアに返還されたとして、米国とキプロスに謝意を表明した。
このタンカー「モーニンググローリー」はリビア国営石油会社の石油を積んで、先週、武装集団に占拠されているリビア東部の港から出港していた。
米国防総省によると、リビア軍は同船を砲撃したが、環境破壊を懸念した米海軍が中止させ、キプロス南東部の公海上に出たところで特殊部隊が同船に乗り込んだという。
リビアではカダフィ政権の崩壊後、2年以上にわたって混乱が続いている。武装集団のリーダーは当初、政府から原油積み出し港の安全確保を委ねられていたが、昨年7月に同港を占拠して原油輸出を妨害し、政府の腐敗を理由に自治権拡大や利益の共有を要求していた。