不明マレーシア機、深さ4.5キロの深海に?
(CNN) 3月8日にマレーシア機が消息を絶ってから、10日で34日がたった。インド洋で行われている捜索では、ブラックボックスから発信されたと思われる音波が探知されたことを受けて同日、捜索範囲が5万8000平方キロの海域に絞り込まれた。
しかしこの捜索は、高い山の頂上に立って、深い闇に包まれた地上のスーツケースを探すのに等しい。
5日と8日に探知された音波は、深さ約4500メートルの海底から発信された。10日にも新たな信号の探知が伝えられたが、オーストラリア当局は11日になって、10日の信号探知について「この信号が不明機のブラックボックスに関連している可能性は低い」と発表した。
深さ約4.5キロの海底は、光も届かず水温は極めて低い。非常に高い水圧に耐えられる有人潜水艇は極めて少なく、これほどの深さに到達した人は数えるほどしかいない。
たとえ機体を見つけたとしても、深海からの回収はさらに困難だ。70年前に大西洋に沈んだ豪華客船「タイタニック」は、今も約3800メートルの海底にある。
2009年に南大西洋に墜落したエールフランスの旅客機は、墜落地点を突き止めるまでに2年近くを要した。機体の残骸は約4000メートルの海底で見つかり、小型潜水艇を使ってボイスレコーダーやフライトレコーダーを回収。154人は遺体が回収されたが、74人は行方不明のままとなっている。