急激に傾く船体に「避難不可能」 沈没時の交信記録を公開
韓国・珍島(CNN) 韓国南西部・珍島(チンド)沖で沈没した旅客船「セウォル号」と管制センターとの無線交信記録が公開された。乗組員は当時、船体が急激に傾いてきて身動きが取れないと訴えていた。
現場海域では捜索作業が続いており、21日早朝までに少なくとも59人の死亡が確認された。安否不明は243人となっている。
捜索チームが20日に公開した交信記録によると、セウォル号からの第一報は16日午前8時55分、目的地だった済州島の管制センターに入った。乗組員は船が傾き始め危険にさらされているとして、海洋警察庁への通報を要請。管制官が船の位置を訪ねた。
このやり取りの約1分後、乗組員はさらに「船がひどく傾いていて動けない。早く来てほしい」と訴えた。管制官は乗客に救命胴衣を着けさせるよう指示したが、乗組員は「みんな身動きが取れない」と返答した。
最初の更新から約11分後、交信先は現場に近い珍島の管制センターに切り替えられた。乗組員は、船体が急激に傾いていて乗客が動けないとの訴えを繰り返した。