ヨハネ・パウロ2世とヨハネ23世、「聖人」に
(CNN) ローマ法王フランシスコは27日、バチカンのサンピエトロ広場で、故ヨハネ23世と故ヨハネ・パウロ2世を「聖人」に列する列聖式を行い、歴代の法王2人が初めて同時に聖人となった。
式典には1年前に退位して名誉法王となったベネディクト16世も出席した。新旧の2人の法王が列聖式に立ち会うのも初めて。
サンピエトロ広場には大勢の信者や見物人が詰めかけ、バチカンラジオによれば、同広場と周辺の道路だけで80万人が集まった。イタリア・ローマの市内各地に設置された巨大スクリーンでは、警察の推計で50万人が式典を見守った。
ヨハネ・パウロ2世(1920~2005年)はポーランドの出身で、異例の早さで聖人となった。式典では重い病を癒やされたとされるコスタリカの女性が、ヨハネ・パウロ2世の血液の入った小瓶をフランシスコ法王に手渡し、ヨハネ23世の皮膚の一部と共に、聖遺物として祭壇にささげられた。
ヨハネ23世(1881~1963年)はイタリア出身で、ミサで初めてラテン語以外の言語の使用を認めるなど、教会を一般信者に開かれた存在とする功績を残した。
フランシスコ法王はこの2人について、「20世紀の法王として、悲劇的な出来事の中でも打ちひしがれることなく生き抜いた。この2人のために神の力は強まり、信仰の力も強まった」と生前の功績をたたえた。