米国製の専用ロボット、冷却水漏れ調査へ 福島第一原発
(CNN) 東京電力福島第一原子力発電所の事故で冷却水が漏れ出している箇所を調べるため、米国のメーカーが専用ロボットを開発した。ロボットは5月初旬に日本に輸送され、この夏をめどに作業を開始する予定だ。
ロボットは放射性廃棄物処理を請け負う米キュリオン社がコロラド州で製造した。冷蔵庫ほどの大きさで、放射線を遮るカメラを搭載し、約45キロの物体を持ち上げることが可能。鉄鋼を切断するための機材も装備でき、長さ約4.5メートルの機械アームを原子炉建屋の床の穴から挿入して中を調べる。
同原発2号機建屋の地下部分からは高濃度の放射性物質を含んだ冷却水が漏れ出していると見られ、人間が近付けないことから専用ロボットが開発された。圧力抑制プールと呼ばれる区画の周辺3カ所をアームを使って調べる予定で、流出箇所が見つかれば、別のロボットを送り込んで修理に当たる。修理用のロボットはまだ開発中のものもあるという。
キュリオンの技術責任者マット・コール氏は、「これで謎の一部は説けるはずだ。冷却水が漏れていることは分かっていても、流出箇所は分かっていなかった」と話す。
東京電力の広報によると、事故から3年たった今も、原子炉を冷却し続けるために1時間当たり4トン以上もの水が各原子炉に注入されている。これまでにもロボットを使って建屋の一部を調査したが、圧力抑制プールの状態ははっきり分からないという。
ロボットは建屋の入り口から中に入れる大きに設計され、1階部分を経由して、放射線量が大幅に高くなる地下部分への到達を目指す。「流出カ所が特定できれば成功だ。次の段階の作業の計画が立てられる」とコール氏は話している。