バルカン半島で洪水 26人死亡、地雷流され住民らに危険も
バルカン半島で洪水
(CNN) バルカン半島のボスニア・ヘルツェゴビナとセルビアを襲った洪水で、20日までに26人の死亡が確認された。さらに、内戦時代に埋められた地雷が洪水や土砂崩れで流され、住民や救助隊員が危険にさらされている。
赤十字によると、記録的な豪雨のために各地で土砂崩れが相次ぎ、捜索救助活動は難航している。
推定90%が洪水に見舞われたセルビアのオブレノバツでは、少なくとも13人の遺体が見つかった。ボスニア・ヘルツェゴビナ当局は、これまでに13人の死亡が確認されたとしており、洪水が引けば犠牲者数はさらに増えることが予想される。
避難した住民はセルビアで2万4000人以上、ボスニアでは3万人に上った。
さらに、内戦時代に埋められたまま除去されていなかった地雷の一部が土砂崩れによって移動し、新たな不安要因となっている。ボスニアのバキル・イゼトベゴビッチ大統領はCNNの取材に対し、「地雷原がどうなったのか正確には分からない」と述べ、地雷も警告の看板も洪水で流されてしまったようだと話している。
豪雨は19日にはいったん収まったが、洪水はあと1週間は続く見通しで、2つの川が交差する地点にあるセルビアの首都ベオグラードでは22日にかけてさらなる水位の上昇が予想される。
大統領側近によれば、被害額は物的損害だけでも推定10億ユーロ(約1400億円)に上る。農地にも相当な被害が及んでおり、洪水による経済損失は総額数十億ユーロに上る可能性もある。