ベトナムの漁船沈没、中国側が「危険行為」を非難
(CNN) 中国とベトナムが領有権を主張する南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島付近で26日、ベトナムの漁船が中国船と衝突して沈没した問題で、中国外務省の報道官は27日、ベトナム船による「危険行為」が原因だと非難した。
両国の関係は、中国がパラセル諸島付近で石油掘削作業に着手したことをきっかけに、悪化の一途をたどっている。
中国外務省の秦剛報道官は27日の会見で、沈没したベトナム船は掘削作業の妨害を図って現場に侵入し、中国の漁船に突っ込んだと説明。「ベトナムに対し、こうした破壊的活動の即時停止を改めて求める」と述べた。
これに対してベトナム沿岸警備隊の幹部は27日、CNNとのインタビューで、ベトナム船からは「中国船に衝突された」との通報があったと指摘した。
沈没した船の乗組員10人は、近くのベトナム漁船や巡視船に救助された。
ベトナム当局者らは、中国の軍や民間の船が同諸島付近でベトナム船への体当たりや放水銃の発射を繰り返していると非難。一方で中国側は石油掘削作業の合法性を主張し、挑発しているのはベトナム側との立場を貫いている。