イラク武装勢力が大量殺害写真を公開、首都北部に迫る
(CNN) イラク北部で勢力を広げているアルカイダ系武装集団「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が、治安部隊の隊員らを大量に殺害したとする写真をインターネットフォーラムに投稿した。ISISは15日もイラク各地で攻撃を続け、首都バグダッドに迫っている。
ISISが投稿したとされる写真について、CNNでは事実関係などの確認はできていない。しかし写っている地形や建物の特徴、犠牲者の制服などから、写真はイラク国内で撮影されたとみられる。
ISISを名乗るツイッターのアカウントでは13日、イスラム教シーア派の1700人あまりを殺害したと宣言した。同アカウントは15日に削除されている。
米国務省は、事実関係は確認できないとしながらも、ISISの仕業とされる行為を非難する声明を発表した。
ISISはイラク第2の都市モスルを制圧し、首都バグダッドへの進撃を予告している。これに対してイラクのマリキ首相は15日、バグダッドで軍の指導部を前に演説し、「モスルは陥落していない」「陥落したのはイラクに背いた政治家だ」と強調。「何者にもイラク国民を分断させはしない」と述べ、兵士らを鼓舞した。
しかしイラク軍高官によれば、モスルと隣国シリアの中間に位置する北部の都市タルアファルでもイラク治安部隊が敗北し、シーア派系住民の多くはクルド地区に逃れた。