ローマ法王、麻薬合法化の動きに反対表明 「妥協は不要」
(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は20日、世界で嗜好(しこう)用の麻薬を合法化するなどの動きが広がっていることに触れ、「極めて悪しき考え」と反対する立場を表明した。
ローマで開かれた麻薬規制に関する国際会議で述べた。麻薬の常用は邪悪であり、屈服や妥協が許されるべきものではないと主張した。法王は以前にも、麻薬摂取の危険性について警鐘を鳴らしたことがある。
麻薬に関しては米国のコロラド、ワシントン両州が既にマリフアナの嗜好利用を合法化した。また、同国の複数の州、都市や郡も利用に絡む刑罰軽減に踏み切ったり、検討したりしている。
この他、南米ウルグアイは昨年12月、マリフアナの売買市場を規制する法案を成立させ、中米のジャマイカ政府は今月、マリフアナ摂取や保持に関する罰則を緩和させるため関連法律の修正に取り組む考えを示していた。
CNNと世論調査機関ORCインターナショナルが今年1月に発表した麻薬に関する世論調査では、55%がマリフアナ合法化を希望。1987年の同様調査と比べ、16ポイント激増していた。
法王は20日の演説で、マリフアナなどを合法化する傾向は立法的な見地から問題があるだけでなく、社会に好ましい影響を与えるものでもないと指摘。麻薬の害悪は常習者を認めることで減らし得るとの考えは問題の根本的解決にはつながらないと主張した。