独政府による国外退去命令、対象はCIA支局長 スパイ疑惑
(CNN) ドイツ政府がベルリン駐在の米国大使館で情報収集活動を仕切る人物に国外退去を求めた問題で、ドイツ政府当局者は13日までに、この人物は米中央情報局(CIA)の支局長であることを確認した。
一方、米大使館は諜報(ちょうほう)問題に関する慣行に従い、コメントしないとの立場を堅持している。
ドイツ国内では最近、米情報機関によるスパイ活動疑惑が相次いで発覚。ドイツの情報機関要員や国防省職員の2人が摘発された。地元メディアによると、2人は政府文書を盗んで米情報機関に引き渡し、金銭を得た疑いがある。
ドイツでは昨年秋、米国家安全保障局(NSA)などによるメルケル首相の携帯電話の盗聴が暴露され、両国関係の摩擦材料となっていた。オバマ米大統領はこの後、同盟国におけるNSA活動の見直しを約束していた。
これらの経緯があったにもかかわらずドイツで米情報機関による新たなスパイ疑惑が表面化したことで、ドイツの米国への不信感が改めて募るのは確実となっている。多くのドイツ政府高官は米国のスパイ活動に対する失望感を表明している。
米国務省高官によると、ケリー国務長官はイランの核問題協議で近くオーストリアのウィーンを訪れた際、ドイツのシュタインマイヤー外相と会談の予定。スパイ疑惑問題も主要議題になるとみられる。