リビア首都の空港で武装勢力が衝突、航空機の9割破損
(CNN) リビアの首都トリポリの国際空港周辺で武装勢力同士の戦闘が激化し、カダフィ政権を倒した2011年の内戦以降で最悪の規模となっている。
住民らによると、武装勢力はこの1週間、空港や周辺の道路、住宅地などで戦闘を続けている。
トリポリの空港は11年以降、同市西郊ジンタンを拠点とする「ジンタン旅団」の支配下にあった。これに対して北部ミスラタの民兵組織と旧反体制派組織の「リビア革命作戦司令室」が攻撃を仕掛けている。
地元当局者は20日、民間テレビ局とのインタビューで、少なくとも5人の死者が出ていると話した。近隣では砲弾が住宅を直撃し、多くの住民が避難したという。
リビア政府によると、空港に駐機してある航空機の約9割が破損した。インターネットのソーシャルサイトには、破壊された空港施設の画像が流れている。
国連をはじめとする国際機関や企業の駐在スタッフも一時的に国外へ退避した。
ミトリ駐リビア国連大使は17日、国連安全保障理事会の会合で事態の悪化に懸念を示した。リビアのアブドルアジズ外相は国連に、国内の安定化や体制整備に向けた協力を要請。一方で「外国からの軍事介入は求めていない」と強調した。