機長の義手外れ片手操縦で着陸 英航空
(CNN) 乗客47人を乗せて着陸態勢に入っていた英国の旅客機で、操縦桿を握っていた機長の義手が突然脱落するトラブルがあった。英航空事故調査当局が14日に公表した報告書で明らかにした。
報告書によると、英格安航空会社フライビーの旅客機は2月12日、乗客47人を乗せて北アイルランドのベルファストに向かっていた。
悪天候の中で着陸態勢に入り、機長(46)が機首を上げる操作を行ったところ、義手が外れ落ちて機体が制御できなくなったという。
機長はとっさに操縦を副操縦士に引き継ぐことも考えたが、副操縦士が事態をのみ込めずにいる様子を見て、片腕で操縦を続けることが最善と判断。そのまま態勢を立て直し、突風にあおられながらも無事着陸させた。かなり乱暴な着陸になったが、乗客乗員にけがはなかった。
機長は再発を防ぐために「これからは義手の装着をもっと入念にチェック」して、副操縦士にも義手のことを教えておくと約束した。
フライビーは独自の調査を実施し、安全対策を強化したと発表している。操縦士などの社員採用については、障害がある人も公正に採用していると説明、義手が外れた機長は「経験豊かで信頼できる」操縦士だと強調した。