シリア反体制派、ゴラン高原の検問所を占拠
(CNN) イスラエルとシリアの境界にあるゴラン高原のクネイトラ検問所がシリア反体制派の支配下に入ったことが28日までに分かった。イスラエル軍と英国に拠点を置くシリア反体制派組織「シリア人権監視機構」が明らかにした。
イスラエル軍によれば、検問所を襲撃したグループには国際テロ組織アルカイダ系の武装組織「ヌスラ戦線」も含まれるという。
ゴラン高原の活動家シャミル・ジョラニ氏によれば、攻撃にはヌスラ戦線とは別のイスラム主義組織を含む複数のシリアの反体制派組織も参加したという。
シリア軍は反体制派を戦闘機で攻撃したが、イスラエルとの協定で検問所への攻撃はできないため、占領を止めることはできなかったという。
この攻撃でイスラエル軍兵士1人が軽傷を負った。また、イスラエル軍は報復としてシリア軍の陣地2カ所を攻撃した。
重武装したイスラエル軍にとって、シリアの反体制派は大きな脅威ではない。だが国連平和維持活動(PKO)の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)をはさんで、両者が目と鼻の先で対峙しているという事態は、地域不安定化の新たな火種とも言える。
昨年6月にもクネイトラ検問所はシリア軍と反体制派の戦闘の舞台となった。これをきっかけにオーストラリア軍がUNDOFから撤退。イスラエル軍は新たな部隊と戦車を国境地帯に送り込んでいた。