香港長官選から民主派排除、非公認候補の立候補認めず
香港(CNN) 中国全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は31日、香港の行政長官を選ぶ選挙制度の改正案を採択し、選挙には指名委員会が公認した候補のみ立候補を認めると定めた。
中国政府高官は選挙について、候補者はすべて「国を愛し、香港を愛する」人物でなければならないと言明。梁振英・行政長官は「2017年の行政長官選挙では、香港市民の大多数である500万人の有権者が投票できる」と強調した。
これに対し、誰でも立候補できる選挙の実施を求めてデモを続けてきた香港の民主派は、「理不尽な制約を課すことによって異なる政治的見解を持つ人物が立候補する権利を奪い、『選ばれた者による政治』を存続させるもの」と強く反発している。
香港中心部には同日、民主派の住民多数が集まって抗議デモを開き、常務委員会の決定を非難するとともに、今後もデモを続けると宣言した。
700万人が住む香港ではこれまで「一国二制度」の下、中国本土に比べると市民の自由が尊重されてきた。これは香港が英国から中国に返還される際、50年間は「高度な自治」を認めると定めた協定に基づく。
しかし行政長官を選ぶ選挙制度の改正により、そうした自由がむしばまれることへの懸念が強まっていた。
7月には大規模な民主化要求デモも開かれたが、その後に有名議員も含め、参加者数百人が逮捕されている。