米軍が「イスラム国」を空爆、イラク西部のダム防御で
バグダッド(CNN) 米国防総省によると、米軍は7日、イラク西部にある同国第2のダムの周辺で、過激派組織「イスラム国(IS)」の拠点などを空爆した。
同省のカービー報道官によれば、空爆はイラク側の要請により、ユーフラテス川のハディサ・ダム周辺で実施された。戦闘機や爆撃機による4回の空爆で、ISの車両や検問所を破壊したという。
地元アンバル州当局の幹部はCNNに、イラク軍がダムの西方約10キロの町バルワナをISから奪還するため、米軍の援護を受けて地上戦を仕掛けたと述べた。
ハディサ・ダムはイラク西部と南部の広い地域に水を供給している。ダムを管理するイラク治安部隊とイスラム教スンニ派のアラブ系部族に対し、ISが何度も攻撃を繰り返してきた。
同幹部によれば、ISはバルワナから迫撃砲などを撃ち込んでいた。ダムに命中すれば州全体が洪水に見舞われかねない。カービー報道官は、ダムがISの手に渡った場合、米国が首都バグダッド周辺に配置する人員や施設が脅かされる恐れもあったと述べた。
ISは今年初め、イラク軍の進撃を阻止するために中部のファルージャ・ダムを開門して近隣の村落に洪水を起こした。
イラク北部にある同国最大のモスル・ダムもISに占拠されたが、イラク軍とクルド人部隊が米軍の援護を受けて奪還していた。