船沈没で500人死亡か、人身売買業者が故意に沈めた疑い
(CNN) 国際移住機関(IOM)は16日、地中海で船が沈没し、欧州を目指していたパレスチナ人など500人あまりが死亡したとの証言があると発表した。生存者は、人身売買業者が故意に船を沈めたと話しているという。
イタリア、マルタ、ギリシャは16日までに、沈没船に乗っていた10人を救出し、3人の遺体が見つかったことを確認した。
IOMはイタリアのシチリア島で現地の警察とともに、同船に乗っていたというパレスチナの男性2人から話を聞いた。2人は浮き具につかまって海上を漂流し、数日後に救助されたという。
証言によると、船はエジプト・ダミエッタの港を6日に出港した。乗客はパレスチナのほかシリア、エジプト、スーダンから来た男女少なくとも400人と、子ども100人が乗っていた。
航海の途中で人身売買業者が別の小さい船に乗り換えるよう乗客に指示。乗客が拒んだところ、業者が激高して船を沈没させたという。業者はパレスチナ人とエジプト人で、「船を衝突させると完全に沈むのを確認してから、笑いながら去って行った」と生存者は証言する。
乗り換えを指示された小船は航海に耐えられるようには見えず、乗り換えるくらいならエジプトに戻った方がいいと思ったとも話した。
船に乗った経緯については、ガザ地区にある「観光事務所」でイタリア行きの旅費として2000ドルを払ったとしている。この金は自宅再建のための助成金として受け取ったものだったという。そこからバス4台に分乗してエジプトの港へ行き、約500人が乗船した。
2人の証言は、ギリシャのクレタ島で事情を聴かれた別の複数の生存者の証言とも一致している。