闇市場で回復者の血液探す感染者、WHOが警告 エボラ流行
(CNN) 西アフリカ諸国で猛威を振るうエボラ出血熱の問題で世界保健機関(WHO)は18日までに、被害国の感染者が回復した患者の血液を闇市場で買い求める動きが見られると報告した。
治療方法が確立されていないエボラ熱対策では、快方に向かった患者の血液に含まれる抗体がエボラウイルスの撃退に役立つとの見方が出ている。闇市場で血液を探し求める行動には、望みを託さざるを得ない一抹(いちまつ)の治療方法にもすがる患者の気持ちが込められているとみられる。
ただ、この抗体が及ぼす効果の有無は医学的にいまだに証明されていない。治療方法に成り得るとの指摘もあるが、WHOは効果を見極めるには一層の研究が必要との立場を示している。
米国ではリベリアでエボラ出血熱に感染して帰国した米国人の援助関係者の治療に、同じく感染したものの回復した米国人の血清が投与され、症状が改善した例もあった。
闇市場での違法な血液入手については、エイズウイルス(HIV)や他の血液関連疾患の感染拡大につながるとの懸念がある。WHOのマーガレット・チャン事務局長は、闇市場を封じるためエボラ熱に襲われる諸国との密接な協力が必要と強調した。
医療専門家らの間では、エボラウイルスがより危険なウイルスに変異するとの危惧も出ている。エボラ熱は現在、患者の血液や体液などを通じて感染すると判断されている。しかし、エボラウイルスが空気感染でも広がるような事態になれば、人類に与える被害は壊滅的な規模になりかねない。
エボラ熱の被害はギニア、リベリアやシエラレオネに集中し、死者は現段階で少なくとも2400人に達している。感染者は数千人規模で、症例はナイジェリアやセネガルでも報告されている。