「同性愛者を歓迎すべし」 ローマ法王庁の姿勢に変化
ローマ(CNN) ローマ法王庁(バチカン)は13日に発表した報告書に、教会は同性愛者を歓迎し、尊重すべきだとする文言を盛り込んだ。バチカン事情に詳しい関係者はこれを「画期的な出来事」と評している。
これまでのカトリックの教えでは、同性愛行為を「本質的な障害」と呼び、同性愛者には貞操を守って生きるよう求めてきた。前ローマ法王のベネディクト16世時代の教会は、「同性愛傾向が深く染みついた」男性を聖職者から一掃しようとした。
しかしフランシスコ法王が、自分は同性愛者を「裁く立場にない」と発言するなど、同性愛者に対するカトリック教会の姿勢は変わりつつある。
報告書では、フランシスコ法王をはじめ聖職者200人が出席して行われた過去1週間の会議の内容をまとめた。
結婚は男女間のものとする見方は変えず、「同性間の関係を、男性と女性の間の結婚と同列に扱うことはできない」としながらも、同性間でも良い関係の実例はあると指摘。
「キリスト教界に恩恵をもたらす同性愛者を我々は歓迎できるのか」「彼らが自分を温かく受け入れてくれる教会との出会いを求めれば、我々の社会はカトリックの教義に触れることなくそれを与え、彼らの性的指向を受け入れて尊重できるのか」と問いかけている。
会議は今週いっぱい続けられ、週の終わりに最終報告書が発表される。