カトリック司教会議、同性愛者への対応で合意できず
ローマ(CNN) 世界のカトリック司教ら約200人がバチカンに集まり、2週間にわたって家族や性の問題を話し合った会議が18日、閉幕した。報告書の内容のうち、同性愛者の受け入れを巡る文言は修正を経ても合意に至らず、採択されなかった。
会議はフランシスコ・ローマ法王の呼び掛けで、家族のあり方などに対する教義の見直しをテーマに非公開で開催された。
13日に発表された中間報告では、カトリックがこれまでタブー視してきた同性愛や離婚に肯定的な見解を表明。同性愛者のキリスト教社会への貢献や、同性愛カップルの助け合いを認めるとの文言が盛り込まれた。
これに対して内部の保守派が強く反発したため、18日に提出された報告書ではこうした文言がすべて削除された。
報告書には、同性愛カップルに神が定めた結婚や家族と同じ結びつきを認める根拠はない、と明記され、「それでもなお、同性愛者については敬意と配慮をもって迎え入れなければならない」との一文だけが残された。しかしこの部分さえ賛成118、反対62と、採択に必要とされる3分の2の支持を得ることができなかった。
ただフランシスコ法王は、否決された部分も含めて報告書の全文公開に踏み切った。今回の会議でまとめた報告書は来年10月、さらに大きな会議に提示される。法王は両会議での話し合いを踏まえたうえで、最終的な判断を示す見通しだ。
法王は司教らに、「家族が直面する数多くの問題に具体的な解決策を見出すため、われわれにはあと1年、熟考の時間が残っている」と語り掛けた。
同性愛者とカトリックとの和解を掲げる米団体、ニュー・ウェイズ・ミニストリー(NWM)は、報告書に「深い失望」を表明した。