中国が南沙諸島に人工島、「争う余地のない主権」主張
香港(CNN) 軍事専門誌IHSジェーンズのディフェンス・ウィークリーは25日までに、衛星写真をもとに、中国がフィリピンなどと領有権を争う南シナ海西端の南沙(スプラトリー)諸島に人工島を建設していると伝えた。
これについて中国外務省の華春瑩報道官は24日の記者会見で、南沙諸島に対して中国は「争う余地のない主権」を有していると主張。人工島建設の目的は捜索救助活動を支援することにあると強調した。
IHSジェーンズによると、南沙諸島の永暑礁が埋め立てられて、全長約3000メートル、幅200~300メートルの人工島が建設されている。これだけの大きさがあれば、滑走路などの施設が建設できるという。
問題の海域ではマレーシア、フィリピン、台湾も環礁や島に飛行場を建設していたという。しかしIHSジェーンズは、「領有権を主張する他の国に比べて圧倒的に勝る軍事力を考えると、この施設は他国の主張を力ずくで抑え込む目的で意図的に建設されたと思われる。または少なくとも、領有権を巡る交渉が行われた場合に中国の立場が大幅に強まる」と解説する。
人工島にはタンカーや軍艦が寄港できる大きさの港が建設されているという。
南シナ海では中国、ブルネイ、マレーシア、フィリピンなどが領有権を争っているほか、台湾とベトナムも複数の諸島や領海を巡って争っている。
フィリピンの裁判所は24日、中国の漁師9人が南シナ海で絶滅危惧種のウミガメを密漁したとして、1人当たり約1万3000ドル(約1200万円)の罰金を言い渡した。