台風22号がフィリピンに接近、復興半ばで住民避難
(CNN) 台風「ハグピート」(台風22号)がフィリピンに接近している。同国は昨年11月、6000人以上の命を奪った台風「ハイエン」で壊滅的な被害を被り、まだ復興も半ば。最大の被害が出たレイテ島のタクロバンでは住民が避難を開始した。
ハグピートがもしハイエンと同じ進路をたどった場合、この週末にも再びタクロバンを直撃する可能性がある。針路が北にそれればルソン島東部の沿岸などにも達する見通し。
「昨年の台風を経験しているのでものすごく不安。猛烈な台風にまた襲われたらどうなるか分からない」。ハイエンで自宅を失った住民(23)はそう語った。
タクロバンでは4日、台風に備えてスーパーマーケットやATM、ガソリンスタンドに長い行列ができた。地元自治体や支援団体は非常事態への準備を進めている。
国連児童基金(ユニセフ)によると、地元自治体は市内の21カ所を避難所に指定して住民を避難させている。避難所の数はさらに増やす見通し。同地では仮設住宅の建設が間に合わず、危険区域に指定された海岸沿いの地域にまだ数千人が住んでいる。
ハグピートは最大風速約80メートルと、最強クラスのハリケーンに匹敵する勢力を保ったままフィリピンに接近中。同国政府は81州のうち、人口の70%が住む56州に警戒警報を出して注意を呼びかけた。