中国の新疆でイスラム教徒の「ブルカ」着用禁止、公の場で
北京(CNN) 中国西部、新疆ウイグル自治区の区都ウルムチの議会機関である人民代表大会は13日までに、イスラム教徒の女性の伝統的な衣服「ブルカ」の着用を公の場で禁じる法案を可決した。
同自治区政府系の公式ニュースサイトが最初に報じ、中国の国営メディアも追従した。自治区ではイスラム教徒が多い少数民族のウイグル族と移住などしてきた漢族の対立に根差した暴力事件が相次いでおり、ブルカ禁止はウイグル族強硬派を念頭に置いた治安対策の一環とみられる。
ブルカは、頭からかぶり顔を含む全身を覆い隠す衣装。中国政府は暴力事件の多発の背後には分離独立を目指すウイグル人勢力がいると主張している。
国営メディアによると、同自治区のカラマイ市では今年8月、スポーツ行事の開催に合わせベールなどイスラム式の服装や大きなひげをはやす住民による公共バスの利用を禁じる措置を打ち出していた。
市内の数十カ所のバス停留所には治安要員が配備され、服装検査や違反者の警察への通報を行っていた。同市ではイスラム教徒の断食月(ラマダン)でも学生や公務員ら断食を行うことも禁じていた。
同市当局はこれら禁止措置はウイグル族が対象とあからさまには示さなかったものの、ウイグル族の人権団体などは人種差別を容認する手段と非難していた。
ウルムチ市では今年春、駅や路上市場を狙った2件の爆弾攻撃事件があり、同市の裁判所は最近、ウイグル族特有の名前を持つ十数人の容疑者に有罪判決を下していた。判決では、8人に死刑、5人に執行猶予付きの死刑が言い渡されていた。