象牙狙われるアフリカゾウ、1世代内の絶滅の可能性も
ニューヨーク(CNNMoney) アフリカゾウの保護団体は14日までに、象牙のために密猟で殺されたゾウは過去3年間で約10万頭に達し、中国内で象牙売買を根絶させるより積極的な措置がなければ、ゾウは今後1世代内に絶滅する可能性があると警告した。
同団体「Save the Elephants」の創設者イアン・ダグラス-ハミルトン氏は、中国内での象牙の値段は上昇しており、それに合わせて殺されるゾウも増えていると指摘した。
中国は象牙の最大の消費国で、同国内での新たな富裕層の出現で外国産の希少品などの需要も高まっている。生の象牙の卸値は2010年以降、3倍の水準に達したとされ、加工済みの象牙製品の値段も激増している。北京での小売値は02年以降、13倍以上になっているという。
同団体などが最近発表した報告書によると、中国には象牙販売を規制する法律があるが、十分には機能していないとし、「統制が及ばない状態にある」と結論付けた。
中国の象牙市場は過去10年で4倍の規模に成長し、合法的な市場が違法販売の隠れ蓑(みの)になっているとも強調した。
同団体などによると、複数の調査員が北京と上海の象牙関連の275の小売店を調べたが、違法な店舗数が合法的な店舗をはるかに上回ったという。北京では関連店舗の少なくとも78%、上海では少なくとも89%が違法な営業に関与していた。