ローマ法王「表現の自由には限度」 仏紙襲撃
(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は15日、フランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」が襲撃された事件に関連して、表現の自由には限度があると語った。
訪問先のスリランカからフィリピンに向かう機中で記者団に対し、法王はイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を載せてテロの標的となったシャルリー・エブドそのものについては言及しなかったものの、誰にも「公益に資すると思うことを言う」自由と責務がある一方で、それが他人を害するならば口にすべきではないと述べた。
また法王は「自らの宗教の名の下に戦争を起こしたり殺してはならない」「神の名の下に殺人を犯すなど常軌を逸している」と述べた。
では、誰かの感情を害する発言をしたらどうなるのか。法王は同行者のアルベルト・ガスバッリ氏を見てこう言った。「もし友人のガスバッリ氏が私の母のことをののしったら、パンチが飛んでくるだろう。それは普通のことだ。挑発してはならないし、他の人の信仰を侮辱してもならない。信仰をからかってはならない」
バチカン・ラジオはこの発言の際、法王はガスバッリ氏に向けて「パンチする振りをした」と伝えた。
この発言についてローマ法王庁のトーマス・ロジカ報道官は電子メールでCNNの取材に答え、法王の表現はパリでのテロを正当化するものとして解釈されることを意図したものではないと弁解。「法王は暴力を擁護したわけではない」と述べた。