メキシコの学生43人、「人違いで殺害」 逮捕者99人に
(CNN) メキシコ南部ゲレロ州イグアラ市付近で昨年9月、メキシコ人の学生43人が行方不明となった事件で、カラム検察庁長官は27日、学生たちが殺害され、遺体は焼かれて川に遺棄されたと、正式に断定したことを明らかにした。事件に絡み、これまでに計99人を逮捕したという。
カラム長官が記者会見で語ったところによれば、当局が集めた証言や証拠は数百件に上る。
メキシコ犯罪捜査当局の責任者は学生らが殺害された理由について、人違いだったと結論付けた。犯罪組織が学生たちを敵対組織のメンバーだと思い込み、犯行に及んだという。
この事件では、学生の拘束を地元警察に指示した「首謀者」としてイグアラ市のホセ・ルイス・アバルカ市長夫妻が起訴されている。警察が学生を連れ去り、犯罪組織に引き渡したとされるが、市長が殺害を指示した形跡はないという。
会見の場で遺族らは当局の見解を受け入れず、学生の失踪に軍が関与していた可能性を主張した。学生たちは教員養成学校に通う左翼の反政府活動家で、ほとんどが20歳前後。イグアラで予定されていた行事に抗議するために同市へ向かっていたとされる。カラム長官は軍の関与を全面的に否定した。
捜査当局責任者によると、焼け残った歯を分析した結果、遺体は1600℃の高温で焼かれたことが判明した。灰になった遺体からDNAを抽出するのは不可能に近いとされ、これまでに43人のうち1人しか身元が確認されていない。