駐韓米大使暴行の容疑者、10年の日本大使襲撃犯と同一か
(CNN) マーク・リッパート駐韓米国大使が5日朝、ソウルの講演会会場で刃物を持った男に襲撃され、負傷した事件で、韓国の聯合ニュースは姓名が「キム」とする55歳の容疑者は2010年7月に同市で駐韓日本大使にコンクリートの破片を投げ付けた男と同一人物と伝えた。
この事件で容疑者は執行猶予付きで懲役2年の判決を受けていた。
地元テレビは、5日の事件で男は拘束され、調べを受けていると伝えた。聯合ニュースによると、容疑者はリッパート大使に背後から近付き、大使をテーブル上に押し倒して襲い始めていた。ソウルの警察によると、凶器は長さ約25センチの刃物で、大使は右ほおや手を切られていた。
容疑者は最近始まった米韓合同軍事演習に反対していたとも伝えた。地元警察が犯行の詳しい動機や犯行の謀議の背景について調べている。
犯行発生時をとらえたビデオ映像によると、男は床に取り押さえられ、会場外へ連れ去れた。この際、「韓米の軍事演習は止めなければならない」とも叫んでいた。
地元の病院によると、大使はほおに長さ約10センチ、深さ約3センチの切り傷を負った。80針を縫う処置を施したという。神経系統に傷はなかった。より深く切られていた場合、深刻な症状になりかねなかったという。左腕と手の5カ所も負傷した。
米国務省のハーフ報道官は命に別条はないと述べた。
地元警察の責任者によると、この日の講演会は「民族和解協力汎国民協議会」が主催したもので、容疑者はこの団体のメンバーだった。
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は、事件は米大使への物理的暴力だけではなく米韓同盟への攻撃であると非難し、決して容認出来ないと述べた。