バヌアツ首都でサイクロン壊滅的被害、全容なお把握できず
(CNN) 史上最大級のサイクロン「パム」に直撃された南太平洋のバヌアツは、首都ポートビラだけで住宅の9割がひどい損害を受けるなど、壊滅的な被害の一端が明らかになってきた。赤十字などは15日、数万人が避難所や食料や水を必要としていると訴え、国際社会に支援を呼びかけた。
ポートビラでは住宅がなぎ倒され、道路は倒木にふさがれ、避難所となるはずの学校や教会などの建物も損壊。病院は一部が浸水し、遺体安置所も被災した。
赤十字によれば、被害の全容を把握するまでにはまだ時間がかかる見通し。国際援助団体オックスファムの担当者は、「想定していた最悪の事態よりもさらにひどい。太平洋で最悪級の災害になるかもしれない」と話す。
ユニセフは15日、6万人あまりの子どもが支援を必要としていると発表。オーストラリアは救援チームや物資派遣などの支援に乗り出した。
バヌアツは80あまりの島々から成る。しかしポートビラ以外の被害の実態についてはまだほとんど情報が入っていない。今後犠牲者がさらに増えることも予想され、国連人道問題調整事務所(OCHA)の担当官は「事態が明らかになるほど、様相は悪化している」と指摘する。
国連防災世界会議に出席するため来日していたバヌアツのロンズデール大統領は国際社会に支援を要請。バヌアツは各国からの支援を受け入れるため非常事態を宣言した。