パキスタンで弁護士殺害、ビンラディン追跡協力の医師を弁護
パキスタン北西部ペシャワル(CNN) パキスタン・ペシャワルの警察当局者は19日までに、米中央情報局(CIA)によるアルカイダ最高指導者だった故オサマ・ビンラディン容疑者の潜伏先特定を手助けしたパキスタン人医師の前弁護士がペシャワル市近くで複数の男に襲われ、射殺されたと述べた。
パキスタン・タリバーン運動(TTP)など2つの過激派が殺害への関与を主張したが、どちらの組織の犯行なのかは不明。
この前弁護士はサミュラ・アフリディ氏で、車に乗っていた際に襲撃された。2012年に国家反逆罪に問われ禁錮刑23年で服役中のシャキル・アフリディ医師の弁護を担当していた。2人の名字は同一だが、親族関係などはない。
シャキル氏はビンラディン容疑者の北部アボタバードでの隠れ家を突き止めるCIAによる偽装のワクチン接種作戦に協力。同容疑者は2011年5月、同市の潜伏先への急襲で殺害されていた。
サミュラ氏殺害を認めた別のイスラム過激派は「ジュンダラ」で、CNNの取材に暗殺リストに載っていたと主張。一方で、TTPはシャキル氏を守ったための犯行と述べた。
CNNの安全保障問題アナリストによると、ジュンダラはTTPの分派組織。過激な武闘主義で知られる。
また、シャキル氏はパキスタン内でビンラディン容疑者発見を支援した理由で評判が非常に悪いと指摘。サミュラ氏もこの理由で毛嫌いされている。ただ、CIAは当時、シャキル氏にワクチン接種の隠れた狙いがビンラディン容疑者の追跡とは明かしていなかったという。
同容疑者暗殺後、パキスタン内ではポリオ根絶のワクチン接種を進める衛生関係者が敬遠されており、武装勢力に殺害される例も出ている。