アデンの大統領宮殿、フーシ派が占拠 イエメン
イエメン・サヌア(CNN) イエメン南部の港湾都市アデンで2日、武装組織「フーシ派」が大統領宮殿を占拠した。一方、サウジアラビアとの国境地帯では武装集団との銃撃戦で、サウジの国境警備兵1人が死亡した。
フーシ派に占拠されたアデンの大統領宮殿は、首都サヌアが1月に同派に制圧された後、ハディ大統領が一時的に滞在していた。大統領は3月にイエメンから出国している。
治安当局者によれば、アデンではまだ戦闘が続いているが、主要地区はほとんどがフーシ派に占拠された。アデンには同日、フーシ派寄りでサレハ前大統領の支持派とされるイエメンの特殊部隊が到着したという。
イエメン沖ではイランからフーシ派への武器輸送を警戒して、米海軍の戦艦が巡回に当たった。
サウジアラビアとの国境をはさむ銃撃戦は1日夜に発生した。国営サウジ通信によると、サウジの国境警備隊がイエメン側の山間部から武装集団に銃撃されて応戦した。
この銃撃で国境警備兵1人が死亡。ほかに10人が負傷したが、命に別状はないという。サウジアラビアがイエメンでフーシ派に対する空爆を開始して以来、兵士の死亡が確認されたのは初めて。