奪還後のティクリートで略奪横行、民兵や治安部隊員が関与か
バグダッド(CNN) イラク政府軍がイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」から奪還した中部の都市ティクリートで、ISISの退却後に放火や略奪が相次いだことが分かった。同国の治安当局者がCNNに語った。
同当局者によると、ティクリートでは少なくとも20棟の住宅が放火され、50店以上の店舗が略奪されたり破壊、放火されたりした。略奪品を載せて走り去るトラックを、治安部隊は止めることができなかったという。
「ティクリートは手に負えない状態に陥った。ISISから奪還した後の計画が全く立っていなかった」と、同当局者は指摘する。
ティクリートは昨年6月以降ISISに占拠されていたが、イラク治安部隊が1日までに奪還した。作戦はイランの支援を受けるイスラム教シーア派民兵と共同で実施された。
ティクリートはスンニ派の住民が多数を占める。イラク治安当局の高官によると、略奪などの不法行為にはシーア派民兵や、治安部隊の一部隊員が関与しているとみられる。警察が捜査チームを設けてティクリートへ送り込み、情報収集に当たっているという。
アバディ首相は3日、ティクリートの治安要員らに不法行為への対応を求め、容疑者の拘束と市内の治安確保を命じた。
一方、シーア派民兵の報道担当者は同日、民兵らがティクリートの治安回復をイラク治安部隊に一任し、同市から引き揚げるとの見通しを示した。