地中海の難民船転覆、救助に向かった貨物船が原因か
イタリア・シチリア島カターニア(CNN) イタリア沖の地中海で18日夜に沈没した難民船は、救助に駆け付けた貨物船が原因で転覆した可能性があることが分かった。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報道官が21日未明、CNNに語った。
当局は19日の時点で、貨物船が来るのを見た難民らが助けを求めて船の片側に殺到したため、船体が傾いて転覆したとの見方を示していた。
沈没した船にはアフリカから欧州へ渡ろうとした難民らが乗っていた。その人数は当初700人とも950人ともいわれたが、報道官は生存者らの話に基づき、800~850人との見方を示している。
同報道官らUNHCRの3人がイタリア南部シチリア島カターニアに運ばれた複数の生存者から聴いた話によると、救難信号を受けて最初に駆け付けたポルトガルの貨物船は、難民船に勢いよく接近したとみられる。難民船は貨物船に衝突されたか、あるいは接近時に発生した大きな波を受けた結果、バランスを崩して転覆した可能性があるという。
同報道官によれば、生存者らの話は「首尾一貫している」という。