圧政、飢え、人身売買 難民たちが地中海を目指す理由とは
何日も歯磨き粉を食べて生き延びたという人もいた。ソマリアからマルタにたどり着いた10代の若者は、残してきた家族に対して来てはいけないと説得し、「95%死ぬのは確実」と伝えたという。
北アフリカの難民の流れを調べている国際移住機関(IOM)によると、特に目立つのがアフリカ北東部エリトリアからの難民で、圧政や貧困、さらにはいつ終わるか分からず脅されたり拷問されたりする恐れもある兵役を逃れて来た人が多数を占めるという。
こうした人たちは国境で拉致される危険をくぐり抜けてスーダンへ渡り、密航業者から別の業者へと引き渡されて地中海沿岸の町にたどり着いていた。
移民調査の専門家によれば、昨年欧州に渡った難民のうち半数はエリトリア人とシリア人が占めていた。アフリカと中東の政情不安に加え、リビアからなら出港できるという期待、他のルートが閉ざされつつある現実が重なって、同地を目指す難民が急増しているという。