インドネシア、外国人ら8人の死刑執行 麻薬密輸の罪
(CNN) インドネシアからの情報によると、麻薬密輸に関与した罪などで死刑を言い渡されていた外国人ら8人が28日、同国中部ジャワ州のヌサカンバンガン島で処刑された。この中にオーストラリア人2人が含まれていたことから、豪政府は駐インドネシア大使の召還を発表した。
ロイター通信が地元メディアの報道として伝えたところによると、オーストラリア人のほかナイジェリア人4人、ブラジル人とインドネシア人各1人の死刑が執行された。ナイジェリア人のうち1人は当初、誤ってガーナ人と伝えられていた。
死刑の対象となっていた10人のうち、フランス人1人は最近裁判所に異議を申し立てたため、刑執行が延期された。またインドネシアに麻薬を持ち込んだとして有罪になったフィリピン人家政婦の死刑も、直前になって見送られた。
家政婦の担当弁護士は「本人は人身売買の被害者であり、麻薬を運んでいる自覚はなかった」と主張。フィリピンのアキノ大統領が直接インドネシアのジョコ大統領に恩赦を要請していたが、刑執行が見送られた正式な理由は明らかでない。
アボット豪首相は記者会見で死刑の執行を非難し、大使召還を発表。2人のオーストラリア人死刑囚は収監中の10年で完全に更生していたと主張した。担当弁護士は、裁判に不正があったとも訴えていた。
刑はインドネシアの国内法に基づき、銃殺によって執行された。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、12人の狙撃手のうち3人の銃に実弾が込められている。死刑囚は立つか座るか、目隠しやフードを着けるか着けないかを選ぶことができる。銃弾は5~10メートルの距離から心臓をめがけて撃ち込まれる。