「コーラン焼却」で女性殺害、4人に死刑判決 アフガン
カブール(CNN) アフガニスタンの首都カブールで3月、女性がイスラム教の聖典「コーラン」を焼却したとして群衆に暴行、殺害された事件で、同国の裁判所は6日、4人の被告に死刑判決を言い渡した。
別の8人の被告には禁錮16年の有罪判決が言い渡された。18人は無罪となった。
事件は3月19日に起きた。ファルクフンダさん(当時27歳)は男たちから殴る蹴るの暴行を受け、体に火をつけられたうえ、橋から川へと投げ落とされた。
事件の一部始終はビデオ撮影され、世界中で反響を呼んだ。すでに血まみれのファルクフンダさんが怒る男たちに囲まれ、蹴られたり石や板で殴られる様子が捉えられている。
父のナディルさんはCNNの系列局TOLOニュースに対し、娘は子どもたちにコーランの教えを説く教師であり、コーランを焼くはずがないと語った。
両親の話によると、暴力を扇動したのは市中心部にあるモスク(イスラム教礼拝所)の指導者だという。この指導者が配っていた魔除けのペンダントを、ファルクフンダさんが「偽物だ」と指摘した。指導者は保身を図ろうと、ファルクフンダさんがコーランを焼いたと叫び出し、これを聞いた群衆が暴行を始めたという。
目撃者の1人はTOLOニュースに対し「(襲撃者たちに)彼女にどの宗教に属しているのか尋ねてみるから殴るのをやめてくれと頼んだが、連中は耳を貸さず彼女を殴り続けた」と語っている。
アフガニスタンの宗教当局によれば、ファルクフンダさんがコーランを焼いたという証拠は見つかっていない。
この事件では警官19人も起訴されており、判決は来週にも言い渡される。