少数民族の数千人が漂流 東南ア諸国は受け入れ拒否
密航業者が海上で船を見捨ててしまうケースもあり、人権団体などは数千人が命の危険にさらされているとして、周辺国に対し捜索救助活動を呼びかけている。
しかしマレーシア、インドネシアとも、難民船は燃料や物資を提供して引き返させていると説明する。
インドネシア外務省の広報は13日、マラッカ海峡を巡航中にマレーシアへ向かう難民船を発見し、食料などを提供したと語った。「乗船者はインドネシア行きは希望しておらず、水と食料援助を求めていた」「援助物資を受け取ると去って行った」としている。
インドネシアは現在、10日にアチェ沖で保護した難民582人に食料や避難所を提供している。
一方マレーシアは、ランカウイ島に漂着した1058人を別の州に移動させ、出身国に送り返す準備を進めているという。
国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは14日の声明で、マレーシアとインドネシア、タイに対し、難民船を「押し戻す」ことをやめ、上陸させて必要な援助を提供するよう求めた。今回のような危機的な状況になったのは、ミャンマー政府がロヒンギャ族を虐げてきたことが原因だとも指摘した。
国連難民高等弁務官事務所によると、ミャンマー西部のラカイン州とバングラデシュを船で脱出した難民は2015年1~3月だけで2万5000人を超え、死者は推定300人に上っている。