フランシスコ法王、パレスチナの修道女2人を聖人に認定
ローマ(CNN) ローマ法王フランシスコは18日までに、パレスチナの修道女2人を聖人に認定した。パレスチナ人の聖人認定は近代では初めてで、宗教的、政治的に重要な意味を持つとみられる。
バチカンのサンピエトロ広場には2000人あまりのパレスチナ人が集まって列聖を祝い、フランシスコ法王の言葉に耳を傾けた。
ローマ法王庁は中東和平プロセスに貢献したい意向で、フランシスコ法王もそれを優先課題としてきた。いずれイスラエル側に対しても同様の行動を取ることが予想される。
17日に聖人に認定されたのは1840年代に生まれたマリー・アリフォンシン・ゲッタースとマリアム・ボアールディの2人。
ゲッタースはエルサレムでキリスト教の家庭に生まれ、修道女となって奉仕活動に生涯をささげた。ベツレヘムで聖母マリアからアラブの少女の修道会創設を託されたとされ、「ロザリー女子修道会」を設立して教育や文化の普及に貢献した。
ボアールディはガリラヤ地域に生まれ、3歳の時に両親を亡くしておじに育てられた。エジプトでおじの使用人にイスラム教への改宗を迫られ、拒むとのどをかき切られた。
ここで奇跡が起きる。天国へ召されて両親に会ったボアールディだが、まだ人生は終わっていないとの声を聞き、地上に返される。そこでは青い服を着た若い修道女がボアールディの傷を治し、教会へ連れて行ったという。この修道女こそ聖母マリアだったとボアールディは信じ、その後は貧しい人々と教会のために生涯をささげた。
パレスチナのアッバス議長は2人の聖人認定を歓迎し、「フランシスコ法王とカトリック教会が、パレスチナで育った美徳の種に目を向け、関心を向けてくれたことに感謝する。パレスチナは戦争の地ではない。聖なる美徳の地であり、そうあることが神の意思だった」と語った。