米国内で活動する中国のスパイ、過去数カ月で急増か
ワシントン(CNN) 米国内で活動する中国政府の秘密工作員の数が急増している。複数の米政府当局者によれば、過去数カ月間で増加ペースは2桁の水準に達したという。
彼らは中国の治安活動を統括する公安省の職員だ。米当局者らは19日、工作員の増加の背景には中国政府が米国内法に十分配慮していない現実があると指摘した。
当局者によれば、米当局に存在を把握されることなく活動する中国工作員がいても驚くにはあたらないという。
工作員は観光ビザや商用ビザで米国に入国しており、法に定められた当局への届け出を怠っているという。米政府に無断で捜査員を米国に送り込むことは犯罪に該当すると当局者らは主張する。
米外交当局はすでに中国に対し、米政府に無断で捜査員を活動させることのないよう警告している。米当局者によれば、中国は公安関係者を米国に潜入させ、汚職などの事件に関与した疑いのある中国人に対して帰国するよう圧力をかけている。これらの関係者によって実際に帰国させられた在米中国人もいるという。
これに対し中国政府は、腐敗撲滅を目指す「キツネ狩り2015」作戦を展開しているにすぎず、「作戦は合法であり、今年調印した2国間協定で認められている」との立場を取っている。